ストレージ仮想化がもたらすメリット

利用率の高まるストレージ仮想化技術

仮想化技術が進み、利用率が高まってきています。柔軟な拡張が可能となってきたこともあり、増大し続けているストレージの管理負担を軽減するということが重要でしょう。ストレージの仮想化は、非常に多くの技術があり種類があり、これまでとはまったく異なる技術も使われています。ひとつにまとめて表現するのは難しいものの、その効果は絶大なものとなってきていると言えます。

企業にとって、設備投資は重くのしかかることは間違いありません。できるだけ小さくしたいと思うのが当然です。特に新規設備となれば、規模を小さくすることで投資を抑えたいと考えるでしょう。ストレージにしても同じことです。できるだけ小規模に抑えておき、企業の成長と必要度合いに合わせて拡張したいと考えるはずです。大規模にしてしまうことで、そこまでの成長を見せなかった時のロスとコストを抑えるためです。リスクマネジメントとしては、当然の考え方と言えます。ところが、規模の拡張とともに非常に大きな手間とコストアップになってしまうというジレンマにつながっていました。これが仮想化によって、解決することができます。

仮想化させることによって、複数のストレージを統合することができるようになります。小さな規模からスタートさせることができ、必要な時に拡張することが可能です。論理的な拡張ができるようになり、リスクを増大させるようなことがありません。データの移行に関しても、リスクを減らすことができるのは、システムを止める必要などがないためです。設定情報の書き換えなど、管理作業の負担を軽減し、リスクを下げることができます。無停止でデータを移行できるということは、営業上のリスクも軽減できるのですから、非常に大きなメリットがあるでしょう。

管理業務の負担軽減とグリーンIT

仮想化させることのメリットとして、ストレージを集中化させることができるようになるのですから、管理も集中することになります。装置として散らばることで、管理業務が増大しますが、仮想化させることによって集中管理が可能です。容量のバランスの最適化も容易にすることができるでしょう。

ストレージ仮想化といっても、現在の技術で5種類も技術分類ができます。さまざまな階層での技術がありますが、これらを積み重ねることによって成り立たせることが可能です。すべてが新しい技術というわけではなく、古い技術も使われていますが、活用の方法が進化してきているといえるでしょう。そこに、最新の技術が組み合わされることによって、仮想化技術は大幅に進化しました。

これにより、省電力化もできるようになったのは大きなポイントでしょう。技術の進化と集中管理により、大幅に省電力化を進めることが可能です。ここ数年キーワードとなってきているグリーンITを進めるために、重要なポイントになってきています。なぜならば、システムが拡大すればするほど、消費電力は増大してしまいます。そうなれば、CO2の排出量は、必然的に増大することになるでしょう。機材の発熱量も、資源を有効に活用できるようになるため、小さく抑えることが可能です。当然冷却設備も小さくすることができるようになるため、総合的に電気の使用量を下げることができるようになるといえるでしょう。仮想化技術を進めることができれば、こうした社会環境に対する貢献も実現可能です。

企業存続のためのリスク分散として

ストレージ技術の進歩により、最適な割り当てを進めることが可能であり、効率の良い運用ができるようになりました。本来であれば、管理者がおこなうべき部分も、モニタリングにより自動的に再配置することが可能です。性能を向上させることができるようになるため、必然的に業務効率を改善することができるでしょう。もちろん、ストレージのコストも削減可能ですので、幅広くメリットがあるといえます。

仮想化させることによって、災害対策に強くなります。企業のBCMが問われるようになり、マネジメントとしても注目を集めるようになりました。物理的環境では、同じ環境を用意しなければ使えなかったものも、仮想化させることによって、サーバさえ動いていれば、運用することができるからです。すべてを集中化させることによって、災害によって失われる資産は増大します。リスク管理という点で、分散管理できるということは、非常に大きなメリットとなるでしょう。その分だけ、企業が継続して経営ができる可能性を広げます。電力という面でも、仮想化すれば分散できる分だけ稼働できる環境を作れるのですから、非常に大きなメリットを持つといえるでしょう。

情報管理環境として、ストレージ仮想化は非常に大きなメリットを持っています。注目を集めるのには、それなりの理由がありますが、それ以上に驚くほど大きなメリットになるのですから、検討するべき技術であるといえるでしょう。