HCIか?3Tierか?
ストレージの観点から解説
HCIは、サーバー・SANスイッチ・共有ストレージをサーバーのみで構成し、仮想基盤をシンプルに構築でき、スモールスタートで運用がカンタンといわれています。しかし、万能薬はなかなかないもの。事前にHCIの課題を把握し導入に適しているか検討しておきたいものです。
1.HCIの課題
HCIは導入や運用が簡単というメリットもありますが、コスト・運用の観点から、HCIの導入が適しているか検討すべきです。特に、高い可用性がスケールアウトが求められる場合には注意が必要です。
- ・リソースが無駄になる場合があります。例えばストレージリソースの需要の方がコンピュータリソースより高い場合、ストレージを追加すればコンピューティングも追加されることになり、不必要にコストが増大します。
- ・ライセンス費用にも注意が必要です。データベースなどのソフトウェアのライセンスの多くは、ノードあたりのCPU数に基づきます。
- ・緊密に結合された分散アーキテクチャでのパフォーマンスやトラブルシューティングは大きな課題となったり、障害がリスクを増大させる可能性があります。
- ・ストレージの観点から堅牢性や可用性、性能が課題となる場合があります。こちらは次に詳しく解説します。
2.HCIのストレージにおける注意点
仮想基盤を支えるストレージでは、運用や導入の容易性に加えて、堅牢性や可用性、性能、データ保護などの重要な要件があります。Tintriなどの共有ストレージは様々な事態に備えてデータを守る堅牢性や高い可用性を持っています。また、性能もしかりです。
しかし、HCIのストレージは、サーバー内蔵のHDDやSSDを利用した分散ファイルシステムで、3面ミラーあるいは2面ミラーを行っています。EC(イレージャコーディング)にて補強されている場合もあります。HCIではストレージの観点から気をつけなければならないポイントがあります。
- ・電源ダウン時やフェイルオーバーして場合データを欠損しないしない仕組み、NVDIMMなどはきちんと実装されていますか?
- ・ノード障害時に、vMotionを引き起こしたりリビルドが発生したりしませんか?
- ・トランザクションやDB、ラージシーケンシャルI/Oなどの性能は大丈夫でしょうか?
- ・データ保護のためのスナップショットはきちんと取れますか?性能劣化はないですか?
3.シンプルな導入・運用の3-Tierも考慮する
高い可用性、スケールアウトが求められる環境では3Tier構成が適していますが、その場合課題となるのがストレージ。従来型のストレージは専門知識が必要とされ導入や運用が難しく、追加や拡張も手間となることが多いもので、HCI導入のきっかけにもなっているかと思います。このような3Tierのストレージの課題を解決するのがTintriです。Tintriの導入・拡張は、NFSで接続するだけで専門知識不要で15分。ストレージの運用や管理が課題でHCIを選択する必要がなくなります。
HCIからTintriを使った3Tierに移行されたお客様を2社ご紹介します。
- ・製薬大手シャイアー(2019年武田薬品工業に買収・統合) は、HCIからTintriとCiscoサーバーによる3- Tier構成に変更されて「管理時間を1/4に短縮され、さらに拡張性を高めることができた」とご評価されています。
- ・HCIをすでにご導入されていたある大手製造業様では、Tintriを導入されました。 Tintriは、HCIと同じ10GbEで接続でき、2U/500W増えるだけなので、大事なVM、スナップショット/レプリケーション/可視化が必要なVMはTintriに保存され、HCIデータストアはバックアップ用にされています。
WebinarにてHCIの注意点、Tintriによる解決策を解説します
「仮想基盤はHCI?3-Tier構成?インフラ選定で見落とされがちなポイントを解説」(録画)
1. HCIの7つの考慮点
2. 仮想基盤におけるストレージの課題を解決するTintri
3. HCIからのリプレイス 顧客導入例
4. まとめ
お申し込みはこちらから講師
株式会社データダイレクト・ネットワークス・ジャパン Tintri事業部 シニアシステムズエンジニア 八木下 洋平