リックに聞いてみよう!— T5000シリーズAPI/UIの特性

リック・エルハートは豊かな経歴を持ち、Tintri技術開発の伝道師であり、技術者でもあります。自身のコラムでITに共通した問題を取り上げ、Tintriのストレージを使った簡単な解決方法を伝授しています。

TintriのAPIはT5000のオールフラッシュシリーズでも使える?

もう、すでにご存知の方もいらっしゃると思いますが、TintriがVMstore T5000 All-Flash seriesを発表しました。これまでのTintri製品と同様に、VM専用(VAS)となっていて、従来のTintri OSでも作動します。従来の製品との違いは、業界初のVMレベルのストレージを持つオールフラッシュ空間が搭載されているということです。この点の経緯については、Tintriのサティンダー(Satinder)が、the T5000’s features in depthのページで詳しく説明しているので、ここでは、TintriのAPIでのマイナーチェンジについて、補足説明をしましょう。また、VMstoreのUIと、Tintri Global Center(TGC)のUIでもそれぞれマイナーチェンジしていますので、そのことについても触れます。

API

最初に、新しいバージョンである、v310.31のAPIについて見てみましょう。その中で、GET/v310/appliance/{uuid}/info というAPIには、新しいブーリアンのフィールドがあり、それは、isAllFlashのコードのことです。下に示したコードスニペットを見てください。

url = “/v310/appliance/default/info” r = tintri.api_get(server_name, url, session_id) appliance_info = r.json() all_flash = False show_all_flash = False if “‘isAllFlash’ in appliance_info: all_flash = appliance_info[“‘isAllFlash’] show_all_flash = True

憶えていてほしいのは、isAllFlashのフィールドの存在を確認する必要があるということです。旧v310.31バージョンのAPIには、このようなフィールドはありません。また、新しいフィールドとして重複排除の要素というのがあるので、DatastoreStat のオブジェクト内で呼び戻すには、下に記したコードを使います。

  • GET /v310/datastore
  • GET /v310/datastore/{uuid}/statsHistoric
  • GET /v310/datastore/{uuid}/statsRealtime
  • GET /v310/datastore/{uuid}/statsSummary

重複排除の要素のフィールドは、ブロック化した、もしくは複製化した重複排除による重複排除により確保したスペースを測定します。このフィールドは、バージョンv310.31以降のAPIでは、ハイブリッドとオールフラッシュシステムの双方に対応しています。しかし、DatastoreStatの中の複製したDedupeFactorは、複製化した重複排除に基づく重複排除によって確保した空間を測定しますので、ハイブリッド型の装置でも有効なのです。オールフラッシュシステムのために複製化したDedupeFactorはバージョン1.0であり、APIとの互換性を保つために空間を保持する役割を果たします。オールフラッシュとハイブリッド装置の両方に適用する新しいコードについては、バージョンv310.31以降のAPIによって、重複排除の要素を使うべきなのです。旧v310.31 APIバージョンで作動するVMstoreでは、この重複排除の要素を使うことはできません。

VMstore

下に掲載したVMstoreのダッシュボードをご覧ください。レイテンシー表示の右側にあるフラッシュヒット率の情報が一掃されています。

また、さらに下の図のように、スペースの節約を確認するグラフにあった「Clone Dedup」という表示が、「Dedup」になっていますね。これは、T5000オールフラッシュが、クローンレベルではなく、ブロックレベルで重複排除するからなのです。ブロックレベルでの重複排除では、これまで以上に空間を広げられるようになりました。

Tintri Global Center

T5000オールフラッシュシリーズが発売されたことで、Tintriグローバルセンター(TGC)が2.1バージョンへとアップデートされています。TGC 2.1のアップデートで多くのことが可能になりますが、T5000オールフラッシュシリーズに関連していることから、VMstoreがオールフラッシュシステムか否かによって、今の状況は変わります。例えば、VMstoreでは、ハードウェアの画面に新しく「Storage typeストレージタイプ」という欄ができました。下の図を見てください。

さらに下の図をご覧いただくと分かるように、そこには2つのストレージタイプとして、「オールフラッシュ(All Flash)」と「ハイブリッド(Hybrid)」がそれぞれ表示されています。右上を見ると、クリック一つで、ストレージタイプごとに振り分けるフィルター作動のためのアイコンがありますね。

すでに述べましたが、オールフラッシュシステムでは、重複排除をブロックレベルで行います。一方のハイブリッドシステムでは、クローンレベルで重複排除を行うのです。TGCの画面には、下の図のように表示されます。

この水色の四角で囲まれた枠内がオールフラッシュ システムの情報です。クローン重複排除ファクター数と、紫色の四角で囲まれたハイブリッドシステムの重複排除ファクター数がそれぞれ、NA(統計値なし)と表示されています。

まとめ

ご心配には及ばないのですが、VMstore T5000シリーズは、期待されていたようなオールフラッシュデバイスとは違った形に変化を遂げているかも知れません。そうは言っても、皆さんのワークフローには何ら大きな影響はありません。何よりも、より便利な機能を搭載していますので、統一管理を実現するため、ついに同じ画面にハイブリッドフラッシュとオールフラッシュを同時に表示させることができるようになったのですからね。

それではまた次回。

リック