マルチテナント環境に必須なクオータ管理とは?

マルチテナント環境に必須なクオータ管理とは?

Tintriのクォータ機能は、マルチテナント環境でのストレージ容量を細かく制限することができます。


ここで知っていただきたいこと

  • マルチテナント環境では、異なるテナントが許容以上のストレージ容量を使わないようにする設定が重要です。
  • クォータ機能を使用すると、テナントごとの容量消費の制限を迅速かつ容易に設定し、その場で容量制限を上下に調整できます。
  • Tintri Global Centerでは、お客様の環境内のすべてのテナントに対して、VMレベルまでのクォータを完全に可視化し、管理できます。

オールフラッシュストレージは、エンタープライズデータセンターのパフォーマンスと容量の関係を劇的に変えました。そしてオールフラッシュストレージを複数のテナントで共有するというシーンも多々見受けられます。そこでストレージのクオータ機能を利用することになります。サービスプロバイダーは、各テナントが独自のvCenterインスタンスおよび専用ESXiホストの管理アクセス権を持ち、基盤となるストレージリソースを共有する、ホストされたプライベートクラウドサービスを顧客に提供する場合があります。また企業のIT組織は、開発チームやLOBチームなどの社内の「テナント」のニーズを満たすことのできるプライベートクラウドを構築することができます。

各テナントに独自のサブマウントを提供することで、2つ以上のテナントが同じストレージシステムを共有します。このようなvCenterにアクセスできるマルチテナント環境では、テナントが消費できるストレージ容量を制御できることが重要です。Tintriのクオータ機能では、各テナントが利用可能な容量を簡単に制限できるようにしました。

Tintriのクォータ機能の仕組み

Tintri by DDNでは共通の管理ニーズを持つVMを集約するサービスグル​​ープを提供します。マルチテナント環境は、VMware vCenter構成とサービスグル​​ープの組み合わせによって作成されます。サービスグル​​ープは、テナントのすべてのVMをグループ化し、関連するストレージの共通管理を可能にします。マルチテナント環境を設定するには、テナントごとにサービスグル​​ープを作成し、各サービスグル​​ープにハードクォータを割り当てます。クォータを含むサービスグル​​ープを作成すると、サブマウントが自動的に作成されます。vCenterデータストアは、Tintriのストレージ全体(/ tintriなど)にマップすることも、クォータの有無にかかわらずアレイのサブマウント(/ tintri / tenantAなど)にマップすることもできます。

サービスグル​​ープの作成は、Tintri Global Center(TGC)で行います。[ Service Group ] タブを選択して [ add a service group ] をクリックすると、そのグループの名前と説明を入力して、オプション3選択してクォータを含むサービスグル​​ープを作成するだけです。

次に、サービスグル​​ープが存在する特定のアレイを指定し、マウントポイントを指定します。次に、[ Setting ] タブを選択して、必要に応じて、サービスグル​​ープのクォータとデータ保護レプリケーションおよびQoSを設定します。Quota ] セクションで [ Edit ] を選択すると、さまざまなアラートのしきい値とともにGiBにクォータを割り当てることができます。

クオータで設定する容量は、重複排除と圧縮が適用される前の状態で指定します。Tintri Global Centerを使わなくとも利用可能な論理容量はvCenterで表示可能です。

テナントの観点から見ると、Tintriでクォータを有効にしたサブマウントは物理アレイとして割り当てられます。クォータの制限に達すると、制限を下回るように修正されるまで書き込みが失敗し続けます。

サービスグル​​ープの [ Metrics ] タブを選択すると、Logical Space(論理容量)とPhysical Space(物理容量)の使用状況が表示され、また使用に関連するさまざまなグラフも表示されます。以下の例のように、重複排除と圧縮ではスペースが大幅に節約されるため、必要な物理スペースは論理容量よりもかなり少なくて済みます。これはサービスプロバイダにとってはとてもありがたいはずです。

クォータリミットを調整した際には、その変更はvCenterにほぼ即座に反映されますので、クライアントにとっては見える化が提供されます。実際LUNベースの一般的なストレージでは、クオータの設定や調整はかなり複雑で、見える化もしにくかったりします。サービスプロバイダーの立場からすると、TGCによってストレージで何が起きているかをより明確に把握できます。 [ VM ] タブを選択すると、サービスグル​​ープ内のすべてのVM、および各仮想マシンが消費する容量とパフォーマンスを確認できます。

vCloud DirectorとOpenStackによるTintriの使用

Tintriのクオータ機能は、テナントがvCenterを通じて直接アクセスできるようなVMware環境で最も役立ちます。vCloud DirectorまたはOpenStackがインストールされている環境の場合であれば、クォータは、Tintri側で行うのではなくソフトウェアレイヤーで構成する方がよいでしょう。これは、より高いレベルの設定がより高い可視性を高めるためです。また、ソフトウェアとストレージの両方でクォータを構成しないようにしてください。

※Tintriのクォータ機能を利用するにはTintri Global Center 3.7とTintriOS 4.4以上が必要です。システムをこのリリースにアップデートすることで無償で利用することができます。