daasとVDIの違いが分からないというシステム管理者様へ

この先仮想デスクトップ環境の導入をお考えの方へ

世の中には、これから自社にも仮想デスクトップ(Virtual Desktop Infrastructure)を導入するべきかどうか検討しているシステム担当者も見受けられます。そのような場面では、VDIを利用する意義や得られる効果、導入にあたってのチェックポイントなどを理解しておくことが大切です。VDIに関する理解を深めるためには、「シンクライアント」と呼ばれる処理方式について学ぶことが大事になります。VDIは、シンクライアントの実装方式の1種であるため、シンクライアントシステムの意味や、VDI以外に存在する方式が分かれば、VDIの本質もよく理解することができます。

シンクライアントの「シン(thin)」とは、「薄い・少ない」という意味を表す英単語で、シンクライアントとは、「PCなどから特定の機能を削ぎ落としたクライアント」という意味になります。具体的には、クライアント端末から、プログラムの実行やデータの保存などの機能を切り離して、それらの機能をサーバーに集中させるアーキテクチャのことをシンクライアントと呼んでいます。ちなみに、シンクライアントと対比するためにPCのことを「ファットクライアント(fat client)」と呼ぶこともあります。

シンクライアントには、大きく分けて「ネットワークブート方式」と「画面転送方式」という2種類のタイプがあります。その内、画面転送型はさらに「サーバーベース方式」・「ブレードPC方式」・「仮想PC方式」に分類されます。

 

 

VDIについて知るために、シンクライアントのことを学んでおこう

シンクライアントの実装方式の内、ネットワークブート型は読んで字のごとく、ネットワークブートの仕組みを利用した方式になります。端末側でOSやアプリケーションを実行するために、サーバーに保存されているイメージファイルをネットワーク経由でダウンロードすることとなります。CPUとメモリーは端末側のものを使用し周辺ディバイスも利用できるため一般のPCと同様の感覚で利用することが可能で、複数の方と共同で利用することもできます。

ネットワークブート型には、起動するたびに大量のトラフィックがネットワークに流れるため、ネットワークの通信速度によっては起動時に長い時間が掛かるという問題があります。特に、社外などからリモートアクセスするような場合、こちらのシンクライアントシステム構成はおすすめできません。その一方で、大学などの教育機関で教室内にて講義を受ける生徒の端末をネットワークブート型の構成にしているケースは多く見受けられます。このような環境では、複数のイメージファイルを用意した上で、授業の内容に応じてOSやアプリケーションを使い分けることが可能になります。

次に、シンクライアントのもう1つの実装方式である画面転送型は、サーバー側でOSやアプリケーションの実行をし、画面出力を端末に転送する方式になります。こちらの構成では、画面情報と操作情報だけがサーバーと端末の間でやり取りされます。その内、画面情報はイメージファイルと比較すると圧倒的に小さなサイズであるため、外出先からリモートアクセスするような場合にも対応することが可能です。

 

 

 

 

 

バーチャルデスクトップ環境を導入するメリットと、想定される利用シーン

VDIは、シンクライアントシステムの実装方式の内、画面転送型に分類されるものの1つです。各メーカーの技術革新が進み、次世代通信が登場したことによりかつては課題となっていた通信速度の遅さが解消され、最近ではローカルPCと同等の操作感覚が得られるようになりました。

仮想デスクトップと物理デスクトップにはそれぞれの長所があります。その内仮想デスクトップ環境では、「データセンターにデータが保存されていることから、セキュリティ上のリスクが低い」、「各ユーザーの端末にハード面の障害が起こっても、その影響を受けない」、「利用に際して端末や場所の制約を受けない」、「管理者側で、OSやアプリケーションイメージの管理やバックアップを一括して行える」などのメリットが得られます。

最近になって、セキュリティを充実させたいからという理由で企業や地方自治体におけるVDI導入が検討され始めています。例えば、顧客の個人情報を取り扱うセールスパーソンやデータセンターのスタッフなどが、ローカルPCにデータを保存していると情報漏洩によるリスクがあります。特に、営業職などの方が顧客のパーソナルデータを保存したモバイル端末を持ち歩いているような場合、外出先で紛失してしまうなどの問題が起こる可能性はゼロとは言えません。悪気はなかったとしても、万が一そのようなことが起こってしまたら大変なことになってしまいます。そのようなリスクを事前に回避するために、端末ではなくサーバー側にデータが保存される仮想デスクトップ環境が役に立つという訳です。