Windows PCの仮想デスクトップとリモートデスクトップ
「仮想デスクトップ」・「リモートデスクトップ」の語義を理解しよう
Windowsのコンピューターを使用するにあたっては、仮想デスクトップとリモートデスクトップという言葉の意味を理解しておくことも大切です。
- リモートデスクトップでは、2つの拠点間で、一方が他方のコンピューターを操作することが可能になります。通常の場合、自分の端末に表示された相手方のデスクトップを経由して、相手方のコンピューターを操作することとなります。
- 仮想デスクトップは、1台のサーバーに複数の仮想的なデスクトップ環境を構築し、それらの環境を他の端末から操作することが可能です。
リモートデスクトップでは、操作する側と操作される側は1台対1台ですが、仮想デスクトップでは、複数台対1台の関係になるという違いがあります。 仮想デスクトップの環境では、複数のユーザーが同時にアクセスした場合にも、それぞれ別の作業を行なうことが可能になります。
また、ソフトウェアの中でもシングルタスクのものは、ユーザーごとにインストールが必要ですが、マルチタスクのものの場合、1度のインストール作業を行えば複数のユーザーが同時に使用することができます。シングルタスクのソフトでも、ユーザー名が同じであればアクセスする画面や操作を共有することが可能です。
仮想デスクトップの概要と特徴について
仮想デスクトップやリモートデスクトップを使用する際には、それぞれに関連する情報をあらかじめ収集しておくことも大事になります。仮想デスクトップは、英語に訳すと「Virtual Desktop Initiative」になります。こちらは、コンピューターのデスクトップ環境を拡張するために使用されるソフトウェアの1つです。
仮想デスクトップを利用すれば、物理的な1つのディスプレイに対して独立した複数の仮想的なデスクトップ環境、またはディスプレイの表示領域を超えるデスクトップ空間の提供を受けることが可能になります。こちらのシステムでは、手元の端末には画面情報が転送されているだけで、OSやアプリケーションの実行はデータセンターやサーバールームにある仮想サーバー環境に於いて実行されることとなります。
デスクトップ仮想化の技術が登場したのは、2008年頃のことです。それよりも前から、シンクライアントやリモートデスクトップなど似通ったシステムは存在しましたが、通信スピードが遅いという難点がありました。その後仮想デスクトップが登場し、各メーカーの技術革新や次世代通信技術の登場により、最近では、ローカルのパソコンと同等の操作性を得ることができるようになりました。
物理デスクトップは各ユーザーにとって扱い慣れている他、データが手元の端末に保存されるため、データを参照するためにネットワークへ接続する必要がないというメリットがあります。その一方で仮想デスクトップの場合、データはデータセンターに保存されるためセキュリティ面のリスクが低く、端末にハード面の障害が起こったとしても保存したデータに影響が及ばない、使用するにあたって端末や場所の制約を受けない、OS・アプリケーションイメージの管理・バックアップを一元的に行なうことができるというアドバンテージが存在します。
これからデスクトップ仮想化技術を導入するにあたっては
かつて、シンクライアントやリモートデスクトップでは通信速度が課題となっていましたが、仮想デスクトップの登場により、最近ではローカルPCと変わらない操作性を得ることが可能となっています。この先、Windowsのコンピューターへ仮想デスクトップ環境を導入するにあたっては、具体的な使用場面をあらかじめ想定しておくことも重要なポイントとなります。
現在では、セキュリティを充実させたいという思いから、仮想デスクトップ環境を企業や地方自治体に導入することが検討されています。例えば、セールスパーソンやデータセンターのオペレーターなど、顧客のプライバシーデータを取り扱うスタッフがローカルPCにデータを保存していると、情報漏えいのリスクが生じることとなります。特に、営業パーソンのように端末を携帯して移動する仕事を行なうスタッフは、悪気がなくても端末を外出先に忘れたり、落としたりするリスクが高くなります。
それらの問題が発生した場合に、保存したデータに被害が及ぶのを防ぐためには、仮想デスクトップ環境を導入するのもおすすめの方法です。仮想デスクトップは、ローカルPCと変わらない感覚で操作し、さらに高いセキュリティレベルを確保することができるシステムです。また、デスクトップ仮想化の技術を導入すれば、地震や水害、火災などの災害が発生し、自社サーバーに被害が及んだ場合にも、スムーズかつスピーディーにデータを復旧させることができます。