Tintriが実現した先進機能 マルチテナンシーとMicrosoft Hyper-Vに対応

Tintri OS 3.2では、これまで解説してきた「VMパフォーマンス保証」や「タイムトラベルVMリカバリー」に代表される先進的な機能のほかにも、このOSをさらに幅広くユーザーに利用してもらうため手立てを用意している。その肝となるのが「マルチテナンシーへの対応」および「Microsoft Hyper-Vへの対応強化」だ。これらについて、その内容やユーザーによってどのようなメリットがあるのかをひも解いていく。

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クラウド環境への柔軟な対応が可能に

Tintri OSはバージョン3.2において、新たに「マルチテナンシー」への対応を図っている。マルチテナンシーとは、クラウドコンピューティングなどで任意の数のハードウェアリソースを複数のユーザーで共有する環境のことを指す。

Tintri OS 3.2では、クラウド環境などで複数の企業や部門が同一のTintri VMstoreにアクセスする際に、ルールを定義すればディレクトリごとにアクセスを制御することができる。これにより、Tintriのスマートストレージは、マルチテナントでのクラウド環境にも柔軟に対応できるようになった【図4-1】。

マルチテナンシー機能
【図4-1】マルチテナンシー機能

マルチテナンシーについては、クラウドサービスプロバイダーのビジネスモデルとしてよく聞かれる言葉であるが、Tintriでは企業のIT部門にも活用できる環境だと考えている。その際、IT部門にとってのテナントは、まさしく各業務部門となる。

さらにIT環境がハイブリッドクラウドになると、テナントはサービスそのものになるととらえることができる。そうした観点から、TintriではTintri OSにおけるマルチテナンシーへの対応が不可欠であると考えているのだ。

三つの異なる仮想化環境を集約

Tintri OSでは、三つの主要なハイパーバイザーである「VMware vSphere」「Red Hat Enterprise Virtualization」「Microsoft Hyper-V」のすべてをサポートし、混在した仮想化環境において同一レベルのデータ管理、データ保護、VMの見える化を実現している。

従来型のストレージでは、こうしたそれぞれのハイパーバイザーは「隔離」することを前提としており、ワークロードや個々のハイパーバイザーは別筐体で運用することが推奨されてきた。これに対し、Tintriではメジャーなハイパーバイザーの混在環境をサポートし、さまざまなワークロードを一つの筐体で運用できるようにした。もちろん管理者はLUNやボリュームでなく、VMとvDiskの単位で管理する。設定の簡便さも実現している。これにより、ハイブリッドクラウドやプライベートクラウドでの重要な要件にも適応することができる。さらに、さまざまなワークロードを実行するVMに対応し、仮想化環境を集約するとともに投資を最大限に活用することができる【図4-2】。

マルチハイパーバイザーに対応
【図4-2】マルチハイパーバイザーに対応

Microsoft Hyper-Vに完全対応

2015年3月、Tintri VMstoreは、すでにサポートしていたVMware vSphere、Red Hat Enterprise Virtualizationに続いてMicrosoft Hyper-Vを新しくサポートしている。これにより、仮想化された「Microsoft SQL Server」「Microsoft Exchange」「Microsoft SharePoint」などのビジネスクリティカルなアプリケーションが複数同時に稼働するような状況においても、VMの稼働状況に合わせた性能のチューニングを自動的に実施し、パフォーマンス問題を改善できるようになった。

Tintri OSにおいてMicrosoft Hyper-Vがサポートされたことによって、ユーザーは次の三つのメリットを享受することができる。

まず一つ目は、NFSプロトコルおよびMicrosoftの「Server Message Block(SMB)3.0」に対応し、Microsoft Hyper-Vをはじめとした複数のハイパーバイザーによるさまざまなワークロードを単一のTintri VMstore上で稼働させることができるようになる。また、Tintri OSの管理画面により、異なるハイパーバイザーであってもシームレスに明瞭な見える化を実現し、ユーザーにおいてはハイパーバイザーを意識することなくVMを管理することができる。

二つ目は、Microsoftの「Hyper-V Manager」および「System Center Virtual Machine Manager(SCVMM)」とネイティブに連携し、スナップショット、クローン、レプリケーションといったデータ保護をVM単位で行うことができる。また、それぞれの仮想ディスクのI/Oを監視し、必要に応じてストレージリソースを自動的に割りあてることで、パフォーマンスのQoSをVM単位で実行することができる。

最後のメリットは、Microsoft Hyper-V上で稼働する「Citrix Xen Desktop」および「XenApp VDI」をサポートできることだ。Tintriのスマートストレージのハイエンドモデルである「Tintri VMstore T880」の場合、4Uサイズの筐体で3500台の仮想デスクトップを運用することができ、ラックスペースを大幅に縮小できるようになる。

これらのメリットに加え、Tintri OS 3.2では、Microsoft Hyper-V対応のさらなる強化に向けて、VMコンシステント(*8)スナップショットの取得とクローニングをTintriの管理GUIならびにREST APIで行うことができるようになった。これによって、Tintri OSはMicrosoft Hyper-Vに完全に対応した形となった【図4-3】。

ハイパーバイザーに依存しないTintri OSのアーキテクチャ
【図4-3】ハイパーバイザーに依存しないTintri OSのアーキテクチャ

Tintri OS 3.2は、これまで述べてきたように、まさしく仮想化およびクラウド用に設計された業界随一の機能を誇るストレージ動作環境である。長らく物理環境指向で設計されていたストレージに対して疑問を抱いたTintriは、とうとう新バージョンによって創業時から「実現したい機能」を具現化した。その先進の機能は多くのユーザーにメリットをもたらしていくであろう。


下記に「仮想化環境に最適な Tintri OS 3.2」について資料をまとめた。インフラご担当者など、ご興味のある方は是非一読いただければと思う。

仮想化最強ストレージの登場

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Tintri第一章の集大成

注釈〉
(*1)LUN(Logical Unit Number):複数のドライブを持つ装置に個別にアクセスできるようにするための論理的な識別番号。
(*2)ボリューム:ストレージ記憶領域ひとかたまりの単位。
(*3)QoS (Quality of Service):アプリケーションの要求するパフォーマンスを、いかに満足できるように提供(サービス)できるかの尺度、およびそれを実現する技術・機能。
(*4)IOPS(Input Output Per Second):記憶装置の性能指標の一つで、1秒間に読み込み・書き込みできる回数のこと。
(*5)レイテンシー:データを要求してから、そのデータが返ってくるまでにかかる遅延時間のこと。
(*6)クローニング:データや設定情報を含め、全く同じ情報を複製すること。
(*7)REST(Representational State Transfer):HTTPを使って特定のURLにアクセスすることで、XMLベースで記述されたデータを得ることができるWebインターフェースの一種のこと。
(*8)VMコンシステント:スナップショット作成前にVMの静止点を設けること。

※本ページは、『マイナビニュース』へ掲載された記事広告を転載しています。