小規模と大規模サーバーとの違い
規模によって起こる運用の難易度の違い
サーバーの場合、小規模にするのか大規模にするのかという問題が出てきます。必要なレベルにするのか、それとも将来を見越してのシステムを構築するのか、考え方によっても違うでしょう。ですが、大規模サーバーにすることによって、非常に高度で難しいものになると考えることもあるはずです。しかし、大きくなれば難しいということは、一概に言えません。
小規模にすることによって、担当者ひとりが管理するということがあるでしょう。実際に大規模サーバーにしたところで、そこまで変わらないのが事実です。やらなければいけないことに大きな違いはなく、押さえるところがはっきりとしていれば、そこまで大きな差が生まれません。逆に担当者を限定されやすいことから、ひとりにかかる負担は大きく、広い知識がなければ対応することができないでしょう。現在のようなデータベースを組み合わせるサイト構成になれば、多くのことをひとりでこなす力が必要です。これが負担になることを考えれば、大規模サーバーにして分担するほうが現実的であるともいえるでしょう。
大規模サーバーにする場合、予算を組まなければいけなくなります。小規模に比べて、担当者は複数にすることが通常ですので、人件費もかかることになるでしょう。担当者は分担させることができるため、それぞれにスペシャリストを置くということができるようになります。サポートも受けるだけの予算があるはずですので、リスクに対しても耐性を持つことになるでしょう。つまり、そこまで技術がなくとも、サポートと話ができるだけの知識があれば運用できてしまうということになります。現実的な運用として考えれば、運用ということに関しても問題は限りなく少ないといえるでしょう。
技術レベルだけで決められるわけではない
大規模サーバーを構成する場合、問題となるのは、構成要素の問題でしょう。どういった構成にするのか、組み合わせが複雑になってきます。設計の難易度が向上するため、初期の段階で問題が発生しやすいといえるでしょう。大規模なシステムとなってくるため、ハードウェアを購入する場合、非常に高価になります。それを選定しなければいけないのですから、この難易度もかなりのものになってしまうでしょう。メーカーごとの仕様や機能といったところに大きな差があることから、手慣れていないと理解できません。それぞれの能力を発揮できないことも出てきますし、将来どのように拡張するのかということでも、選定は重要な意味を持ってきます。
大規模サーバーの構築は、技術というよりも、どんなことをしたいのか、意思決定の段階で大きな違いを生むことになるでしょう。知識レベルなどが低い状況であっても、構築は難しくありません。逆に小規模にすることによって、担当者のレベルに依存しなければいけないことも多くなってきます。規模による問題は、意外と意識の異なるところにあるといえるでしょう。
クラウド環境にすることの意味
小規模サーバーでは、規模の拡張をおこないたいと思っても、非常に問題が大きくなります。そのままでは、負荷に耐えられなくなった場合でも、限られた中での対応が求められるでしょう。スケールで対応できない以上、パフォーマンスの向上で対策しなければなりません。これにも高い技術が必要になるのですから、管理にかかる負担は増大します。大規模サーバーにすることによって、スケールで対応が可能です。パフォーマンスでの対応は難しく、ハードウェアの追加などでの対応が現実的でしょう。単純にキャパシティを大きくすることによって対応できてしまうのですから、設計の段階から予定しておくことが重要です。早期の対応ということも重要であり、後手にならないようにしなければいけません。
同じような問題であっても、対応方法は全く異なるものとなります。どちらのケースでもわかることですが、対応方法は全く異なる代わりに、意思決定のスピードが重要となることは間違いないでしょう。意思決定が遅れることによって、対応はどんどんと影響を受けることになっていきます。技術者の能力や資質といった部分もありますが、技術的に対応するのかシステマチックに対応するのかによっても、規模の設定が変わってくるといえるでしょう。
もうひとつ、クラウド環境にしてしまうということもあげられます。大規模サーバーを構築するような費用も必要がなくなりますし、管理の負担は格段に減少させることができます。知識として、そこまで要求される必要性がありません。運用ということでは、とても大きなポイントとなるでしょう。拡張やデータ移行に関しても、リスクを下げることができるようになるのですから、小規模や大規模であるといった悩みから解放されることになります。運用効率もあげることができるのですから、大きなメリットを持つことは間違いないでしょう。