2016年11月以来Tintriは、予測/分析を行うクラウドサービスであるTintri Analyticsを提供しています。ストレージの予測/分析サービスはさまざまなストレージ プロバイダーから提供されていますが、Tintriのアプローチは、そのいずれとも異なるものになっています。他社の分析サービスとの違いを解説するブログをご紹介します。
皆さんはアプリケーション インスタンスの増加に備えて、どのようにリソース計画を行っていますか? ストレージの容量やパフォーマンスが不足するタイミングをどのように把握していますか? また、アプリケーションの使用履歴をどのようにチェックしていますか?
皆さんが今使用している分析サービスは、単に情報を提示してくれるだけですか? それとも、きちんと必要な答えを導き出してくれますか? いずれにしても、ぜひ一度Tintri Analyticsを使ってみてください。
キー ポイント
- Tintri Analyticsは単にストレージの情報を提示するサービスではなく、ストレージ フットプリントの管理に必要とする「答え」を導き出し、ユーザーがそれに沿って計画を立てられるようにします。
- Tintri Analyticsはアプリケーション レベルで機能し、アプリケーション一つひとつの正確な動作やニーズに関する情報を提供します。
- Tintri AnalyticsはApache SparkとElasticsearchをベースに構築され、最大3年分のデータ(数十万台のVM)の分析を1秒未満で実行します。
Tintri Analyticsはほかの製品と何が違う?
Tintri Analyticsがほかと違うのは、主に以下の3点です。
- アプリケーション レベル: 他社のストレージ プラットフォームはLUNとボリュームをベースに構築されているため、提供される分析結果もLUNとボリューム レベルのものに限定されてしまいます。LUN内にある大量のアプリケーションのパフォーマンスの平均値を知ったところで、大して役には立ちません。ユーザーが知りたいのは、アプリケーション一つひとつの正確な動作とニーズです。これを唯一可能にするのが、TintriのVMに最適化されたストレージ(VAS)の基盤とTintri アナリティクスです。LUNベースの環境でのアプリケーション レベルの分析サービスを提供すると謳っている他社製品では、実際のアプリケーション データではなく、根拠の薄い関連付けや仮定が使用されています。
- リソース計画: ストレージは中身が複雑であるにもかかわらず、従来の分析ツールやアプリケーション レベルの計画ツールでは、なぜかストレージの情報とアプリケーションの情報の関連付けが行われていませんでした。Tintri アナリティクスを使用すれば、仮想化アプリケーションに本当に求められていることが明らかになるため、インフラからではなく、アプリケーションを中心にリソース計画を進めることができます。
- アドホック分析: 従来の分析ツールのカラム型データベースは使いにくく、分析対象が極めて限定されますが、Tintri AnalyticsはApache SparkとElasticsearchをベースに構築されているため、強力なリアルタイム分析エンジンElasticsearchでデータにすばやくドリルダウンし、数十万台のVMに相当する、最大3年分のデータの分析を1秒足らずで実行できます。このため、アプリケーションの計画時にwhat-if分析を実行して、この先6か月の容量とパフォーマンスの要件を正確に予測することができます。
しかし、それよりさらに注目いただきたいのは、従来の分析サービスで得られる情報には、さらなる精査が必要なのに対し、Tintri Analyticsから導き出される情報は、即座に次の行動に利用できるという点です。
ただの情報提供ではなく、答えを導き出してくれる
Tintri Analyticsが行動に結びつく情報をどのように提供してくれるのか、一例をご紹介しましょう。
これは、Tintri Analyticsの[Experiments]ビューのスクリーンショットです。このビューではさまざまなwhat-ifシナリオをモデル化して、最適な行動を特定することができます。ここでは、このようなwhat-ifクエリのしくみを見て取ることができます。
操作は簡単です。[Experiments]をクリックして、展開するアプリケーション(この例では「VDI」)を選択し、インスタンスの数(この例では「25」)を選択します。また、フットプリントの一部に対する影響をモデル化する場合は、ドロップダウンから対象のVMstoreを指定します。すると、展開の結果がすぐにリアルタイムで提示されます。
このシナリオでは容量とパフォーマンスがオーバーロードしており(ワーキング セットもほぼオーバーロード)、結果が芳しくないため、新たにプロビジョニングするインスタンスを減らしたり、対象のVMstoreを増やしたりして、結果を調整することができます。Tintri Analyticsはストレージを見える化するだけでなく、そこで得られた情報をもとに行動できるようにします。
どのような指標を得られるのか?
Tintri Analyticsでは、主に次の3つの指標がレポートされます。
- 論理容量(シン プロビジョニング後で、圧縮/重複排除前のVMのサイズ)
- I/O性能(VMが必要とするI/Oとスループットのリソース)
- ワーキング セット(データ削減アルゴリズムの適用後にホット データの保存に必要となるフラッシュ メモリ容量)
これらの指標は、複数の要素を合成して導き出したものであるため、結果をさらに解釈しようとする必要はありません。たとえばI/O性能は、I/Oサイズ、読み取り/書き込み、スループットなどの条件がすでに考慮されているため、VMstoreのパフォーマンスをそのまま理解することができます。
詳細なインサイトを提供
Tintri Analyticsには[Experiments]のほかにさらに2つのビューがあります。ビューを切り替えるには、左側のナビゲーション バーを使用します。
- [Insights]ビューでは、容量とパフォーマンスがどこで変化しているかを特定できます。VMの数を増やしたのか、単にVMのサイズが大きくなったのかを見極めるのは困難なことがあります。そうした場合に[Insights]ビューを使用すると、時間の経過でアプリケーション リソースのニーズがどのように変化するかを確認し、フットプリントを制御することができます。
- [Experiments]ビューはすでにご説明したとおり、what-if分析を使用してフットプリントが新しいワークロードをサポートできるかどうかをモデル化し、リソース計画を行うことができます。重複排除や圧縮を行うと容量だけの問題ではなくなるため、パフォーマンスとワーキング セットも考慮します。
- [Definitions]ビューでは、自身の環境で使用するアプリケーションの定義を行うことができます。たとえば、アプリケーションの種類を定義して、すべての仮想デスクトップやすべてのSQLサーバーをグループ化することができます。そうすると、アプリケーションの種類ごとにメンバーのVMで使用されるリソースの平均値を確認したり、平均を大きく外れていて注意が必要なVMを特定したりすることができます。
Tintri Analyticsをご利用ください
Tintri Analyticsは、Tintriが提供するVMに最適化されたストレージの基盤をさらに進化させるものであり、市場で見かけるどのストレージ分析ツールとも違う価値を提供します。Tintriの広範なスケールアウト アーキテクチャを中心に展開されたTintri Analyticsを利用することで、お客様はご自身の手で、仮想フットプリントのコストとパフォーマンスの両方を最適化できるようになります。