高いパフォーマンスを維持するため

企業内でアプリケーションプログラムを使っている場合、このパフォーマンスがビジネスとして大きな意味を持つことがあるでしょう。そのまま価値になるケースもあるはずです。そんな業種において、アプリケーションがトラブルを抱え停止してしまうということは、大きな損失を生み出すことにつながります。ですが、実際に運用している企業であっても、トラブルを事前に発見できた例は50%しかないという調査結果もあります。大きなインパクトになることがわかっていても、アプリケーションパフォーマンスにはその程度しか関心を持っていないということになってしまう恐れがあります。

ITの運用ということを考えた場合、必要とするアプリケーションパフォーマンスを維持することができるのかということが生命線です。これは理想ではなく、おこなっていかなければいけないことです。こうしたインパクトを受けるということは、直接業務が止まることにもつながります。ITインフラが複雑化すればするほど、こうしたインパクトに対して対応が遅れやすくなる恐れがあります。

パフォーマンス要求が高まることで、リスクを発見しにくくなるのも間違いありません。当初の設計から徐々に複雑化することにより、予定していた計画が役に立たなくなることも出てきます。そうなると、運用部門にかかる負担も増大することになるでしょう。こうした問題のすべては、アプリケーションパフォーマンスにあるわけです。常に高いレベルのパフォーマンスを示していればいいということになるのですから、高いマネジメントレベルが必要になるといえるでしょう。

ITの生命線

アプリケーションのトラブルが起きやすいのは、何か変更を与えた時です。システムの変更時には、どれだけ慎重に計画を立てて進めたとしても、緊急時に変更を加えたりすれば、対応は予測の範囲を超える事もあります。計画外の変更などがあれば、すべて台無しになるだけではなく、不測の事態を引き起こします。IT部門でトラブルを生じれば、当然他の部門にも波及し、大きな影響を与えることになるでしょう。こうしたトラブルが、ビジネスチャンスを失わせるだけではなく、技術などに関しても影響します。失われた時間は、企業の成長にも影響を与えることになるでしょう。

だからこそ、何か起きたら対応するという受動的な行動から、何が起きるのかを予測できるようにして行かなければいけません。問題が起きる前に察知する必要がありますし、問題が起きたら即応できる体制が必要です。アプリケーションパフォーマンスマネジメントも、こうした対応が必要であるといえます。しっかりとマネジメントしておけば、リスクの発生を予測し、インパクトを小さなものにできます。原因の予測が容易となり、解決に至るアプローチを明確なものにすることができるでしょう。

ひっきりなしに対応を求められるようなことにもならず、負担を軽減することができるようになり、ビジネスとしても余裕をもたらすことが可能です。本来の予定通りにプロジェクトを進めることができるのですから、メリットはかなりのものになっていくでしょう。システムは、どんどん複雑化して行くのですから、いかにアプリケーションパフォーマンスマネジメントを保つのかということは、ITの生命線であるといえます。

アプリケーションパフォーマンスマネジメント

アプリケーションパフォーマンスの重要性は、各国の企業が重要視していることは間違いありません。業績を達成するためには、適切なパフォーマンスを維持し続けることが重要だからです。現実にパフォーマンスが下がることによって、多くの影響を受けていることだからこそ、重要であることを認識していると言えます。パフォーマンスが下がれば、取引先から不満が出ます。そうなれば、契約解除のリスクも出てきますし、致命的な遅れになれば顧客を失います。もちろん、せっかく築いたブランドイメージも崩れ去る危険性すらあります。

そのためには、定期的に情報を収集していかなければいけません。集めた情報の中から、何か問題はないのかを探すことが重要です。普段は何気ないデータの中に、どこか異変があるかもしれません。グラフ化するなど視覚化を進めれば安全に近付きます。ただし、小さな問題でも判別すれば、結果的に作業が煩雑化してしまいます。オートベースラインの設定が重要となってくるでしょう。

体感的な問題も重要です。数値だけでは読み取れない情報も含まれているからです。ユーザー側のレスポンスタイムからも読み取れます。この状態から原因分析につなげていかなければいけませんが、遅いということだけでは原因は見つからないでしょう。的確にボトルネックを見つけていかなければいけません。原因特定調査をして分析を進めていくことが求められるでしょう。これが、さらにベースラインを判断する材料となり、スパイラルを形成して行くことになります。現実的に難しい部分があっても、こうしたアプリケーションパフォーマンスマネジメントは行っていかなければいけない時代と言えます。