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教育用仮想デスクトップ環境に「ETERNUS TR series」を導入。物理環境時代に比べログイン時間を1/4に短縮、イメージ展開時間も28時間短縮 - 学校法人東京電機大学

教育用仮想デスクトップ環境に
「ETERNUS TR series」を導入。
物理環境時代に比べログイン時間を1/4に短縮、
イメージ展開時間も28時間短縮。

教育用仮想デスクトップ環境のパフォーマンス向上が課題

学校法人東京電機大学 総合メディアセンター 企画・推進担当/運用(千住)担当 インスティテューショナル リサーチセンター 課長 高橋 陽子 氏
学校法人東京電機大学
総合メディアセンター
企画・推進担当/運用(千住)担当
インスティテューショナル
リサーチセンター 課長
高橋 陽子 氏

1907(明治40)年の創立以来、日本の近代化を支え、科学技術立国を担う人材の育成に努める東京電機大学。同大学の卒業生は20万人を超え、産業界をはじめ幅広い分野で活躍中だ。現在、5学部、大学院を有し首都圏に広がる3つのキャンパスで約10,000人の学生が学んでいる。理工系私立大学のトップランナーを目指し挑戦を続ける同大学の根底には、建学の精神「実学尊重」と教育理念「技術は人なり」が息づいている。

同大学の実学尊重教育を支えているのが教育研究システムだ。2012年4月、創立100周年記念事業の東京千住キャンパスの誕生に合わせ、富士通データセンターにプライベートクラウドを構築し仮想デスクトップ環境を活用した教育研究システムがスタートした。

「学生はパソコン教室以外でも、いつでもどこでも自身のパソコンを使って教育研究システムにアクセスして学習できます。本稼働後、安定稼働を続けていますが、本学は3D CADなど負荷の高いアプリケーションを使う授業が多いことから、ストレスを感じない操作性を求める声が先生や学生から寄せられていました」と同センターの高橋陽子氏は話す。

性能評価で起動時間を40秒短縮、性能向上を確認
仮想マシン単位での状況の可視化も評価し採用

学校法人東京電機大学 総合メディアセンター 運用(鳩山)担当 主事 木村 勉 氏
学校法人東京電機大学
総合メディアセンター
運用(鳩山)担当 主事
木村 勉 氏

同大学では学生が4年間の在学中に最新のシステムを利用できるように教育研究システムの更新を3年サイクルとしている。2015年4月のリニューアルにおける改善点について同センターの木村勉氏はこう振り返る。

「現在、物理端末800台、学生が自身の端末で利用できるリモート端末が200台の合計1,000台で仮想デスクトップサービスを利用しています。運用していく中で富士通とは逐次話し合っており、仮想デスクトップ環境のパフォーマンス向上のために、ストレージのI/O性能がボトルネックになっているという認識を共有していました」。

富士通は共有ストレージにSSDとHDDのハイブリッド構成でコストを抑制しながら、フラッシュヒット率99%以上を実現する仮想化環境専用ストレージ「ETERNUS TR series」を提案。2014年3月、同大学は通常の運用形態に沿った性能評価を実施した。

「各キャンパスにおける50%の台数となる200台での一斉同時ログインでは、個々のPCログイン完了時間のバラツキが少なく、最後のPCログイン完了までの時間が従来システムより40秒ほど短縮できました。また授業で使う3D CAD系アプリケーションの一斉起動時間や、個々のPCの電源ONからログイン完了までの時間も短縮されるなど、従来システムの性能を凌駕しています」(木村氏)。

同大学は「ETERNUS TR series」により、仮想マシン単位でホスト・ネットワーク・ストレージレベルのパフォーマンスを可視化できることも高く評価。「仮想デスクトップを活用した教育研究システムを評価し次のステップに進むために、また数値に裏付けられた成果報告のためにも仮想マシン単位での可視化はとても重要です」(高橋氏)。

新システムでは複数スイッチを仮想的な1台の論理スイッチとして利用できるBrocadeVDX、リソースの最適化を実現する富士通の大学向けクラウドソリューションUnifIDoneキャンパスクラウドなどICTの最新技術を採用。さらに仮想デスクトップからGPUを利用して演算が可能となるvGPUを導入している。「これまで処理能力がネックとなり仮想デスクトップ環境で使うことを断念していた、より負荷の高いアプリケーションも利用できます。ゲーム開発などで互換性が広がるメリットも大きいですね」と同センターの小山仁氏は話す。

新教育研究システム(仮想デスクトップ)概要図

物理環境時代に比べログイン時間を1/4に短縮
イメージ展開時間も28時間短縮

学校法人東京電機大学 総合メディアセンター 運用(千住)担当 小山 仁 氏
学校法人東京電機大学
総合メディアセンター
運用(千住)担当
小山 仁 氏

新教育研究システムは2015年4月に本稼働後、安定稼働を続けている。同大学の総合メディアセンターが教育研究システムでこだわってきたログイン時間も大幅な短縮を実現。「負荷の高いアプリケーションをたくさんのせているため物理環境時代はログイン時間に4分を要しました。既存の仮想デスクトップ環境の導入で2分弱となり、新システムでは運用の工夫とパフォーマンスの向上により1分10秒まで短縮できました」(木村氏)。

また「ETERNUS TR series」の導入により、仮想マシンの稼働状況に合わせて性能割当を最適化する自動QoS(Quality of Service)で複雑なチューニングをすることなく、ピーク時にも常に安定したパフォーマンスを実現。さらにイメージ展開時間が従来と比べて28時間も短縮できるため、メンテナンスの迅速化による学生サービスの向上も図っている。

高橋氏は「今後もティントリ社には仮想化環境に特化した独自技術の提供に期待しています。また富士通にはきめ細かいサポートに加え、先進的な提案をお願いいたします」と話す。

パソコン教室のあり方が問われる中、同大学ではキャンパスクラウドを活用し夏休みに学生が所持するノートパソコンを使って仮想教室の実験運用を行う予定だ。また2015年の後期からvGPUの本格運用がスタートする。「ETERNUS TR series」をベースに教育研究システムは進化を続ける。

※ 富士通の「ETERNUS TR series」は米国Tintri by DDNのOEM製品です。