株式会社アドウェイズ 様

Tintri APIと様々なツールを活用し、外出先でも仮想マシンの稼働状況を把握

運用の難しさから、かつて共有ストレージの運用を断念

2001年創業、わずか5年で東証マザーズへの上場を果たしたインターネット広告代理店、株式会社アドウェイズ。国内最大級の広告主を有するモバイルアフィリエイト(成果報酬型)広告をはじめ、インターネットテクノロジーを駆使した付加価値の高いサービスを展開し快進撃が続く。空間もデバイスも既成概念も国境も「Beyond Everything Internet~インターネットの全てを超えていく~」といったビジョンの実現へ、アジア・北米地域など世界12ヵ国への事業拡大やスマートフォンアプリの開発にも力を注いでいる。

同社躍進の原動力は、社員1,200名以上、グループ会社35社、売上396億円(2016年3月期連結)の企業に成長しても失われることのないベンチャー精神だ。常に挑戦し続ける同社にとってビジネスのスピードは欠かせない。同社はビジネスの変化に柔軟に対応できるICTインフラを実現するべく、2012年からVMwareによるサーバーの仮想化を進めている。

仮想化導入にあたって、VMwareの機能を最大限に活かすために共有ストレージは必要となる。だが、同社は以前共有ストレージの運用を断念した経験があり、再導入に踏み出せないでいた。

「当部は少人数で商用も社内もすべてのICTインフラを担っており、ストレージ専任の技術者を置くのは難しいのが現状です。かつて共有ストレージを導入した際、各種設定が複雑なためチューニングや設定変更のたびに外部ベンダーに依頼していました。コスト面はもとより多くの時間を要し、ビジネスのニーズに迅速に対応できないことが大きな課題でした」とアドウェイズ サービスデベロップメントグループ インフラストラクチャーDiv チーフシステムエンジニア 伊藤正之氏は話す。

同社の共有ストレージへの懸念を払拭するきっかけとなったのが、VMware 開催の「vForum 2012」でのTintri VMstoreとの出会いだった。

少人数の社内スタッフで容易に運用できる点を高く評価

「vForum 2012」でTintriと出会い、仮想化専用ストレージというコンセプトに着目した同社は、テスト機を借り受けて様々な検証を実施した。

「VMwareとの親和性の高さに加え、70,000IOPSを超える性能を発揮し当社の性能要件を十分に満たしました。またデータ圧縮と重複排除による100%に近いSSDヒット率の実現もアドバンテージとなりました」パフォーマンスに加え、運用のしやすさも採用の大きなポイントになったという。

Tintri VMstoreは細かい設計が不要で、わずかな設定で導入が可能。またLUNやボリュームを考える必要がなく、仮想マシン単位で運用管理が行えることに加え、チューニングレスで安定したパフォーマンスを実現できることから、社内スタッフで容易に運用できる点を同社は高く評価した。

2013年、Tintri VMstoreを共有ストレージとする仮想化基盤が本稼働。現在25台の物理サーバーと2台のTintri VMstoreを10G-BaseTで接続し700台以上の仮想マシンが稼働している。

「当社におけるサーバーの90%以上を仮想化することができました。広告、ゲーム、効果測定など様々なワークロードが動いていますが、遅延は一切発生していません。またラック数を半減できたことで、データセンターにおける月々のランニングコストの大幅な削減も図れました」(伊藤氏)

物理サーバーとTintri VMstoreを10G-BaseTで接続し仮想マシンが稼働しているイメージ

外出先でもスマートフォンでパフォーマンスを管理「どこでもTintri」

共有ストレージの運用に関しては、「たまにTintri VMstoreの管理画面を見るだけです」と伊藤氏は話す。管理画面では仮想マシン単位でホスト、ネットワーク、ストレージレベルのパフォーマンスが可視化されており、ボトルネックの箇所が一目でわかる。新卒のスタッフにも運用に参加してもらい、Tintri VMstoreの管理画面を使って要因を特定し解決していくプロセスを経験する教育的効果も期待しているとのこと。

少人数の運用管理では情報共有とモバイル性が重要となる。同社はTintri APIを使ってTintri VMstoreのパフォーマンスの可視化機能を拡張し「どこでもTintri」を実現する仕組みづくりに取り組んでいる。

どこでもTintriによるTintri VMstoreとSlackの連携

「スマートフォンでコマンドを打つことによりアプライアンス情報やアラート情報、ダッシュボード情報はもとより、フラッシュヒットレートやレイテンシー、IOPSなど仮想マシン情報の一覧を見ることができます。また仮想マシン名を正規表現でフィルタリングが可能です。外出先でもスマートフォンで仮想マシンの稼働状況を確認できるため早期解決が図れます」(伊藤氏)

「どこでもTintri」は、プログラミング言語 Pythonを使ってチャットアプリSlackのbotとして開発している。現在は情報取得のみで利用しているが、様々なツールを活用しダッシュボード情報のグラフ化やフラッシュヒットレートの低下を警告する通知など工夫次第で活用シーンは広がっていくと、伊藤氏は次のように続ける。
「Tintri APIを使ってスマートフォンから設定やクローンの作成なども可能になると考えています。共有ストレージの運用に不安のあった当社が、安心して運用できるだけでなく、運用レベルの向上が図れるというのもTintri VMstoreの魅力です」

当事例の「どこでもTintri」の使い方とソースコードを公開していただきましたので、ご参考にしてください。

※このお客様はTintri販売代理店のノックス株式会社が導入と保守に携わっています。

事業の急拡大で全面的なサーバ仮想化を実施するにあたり、柔軟なサービス提供インフラとして選択したのは、仮想化専用で管理に専門知識が不要なTintri VMstoreシリーズでした。

これまで株式会社アドウェイズは、情報システムのインフラを自社で調達・構築し、物理環境で運用を行うことを常としてきた。しかし、事業が国内外で急速に拡大し続ける中、サービスを提供するインフラシステムの拡張・変更をより短期間で行う必要性が高まった。そのため、物理環境での運用を見直し、全面的なサーバの仮想化に取り組んだ。

「従来の物理サーバでは、機器の調達から構築、提供まで1ヶ月程度掛かっていましたが、現在では構築依頼から提供までわずか1時間に短縮しました。クローニング作業もVMware側で行うよりTintri VMstoreシリーズで行った方が断然速く、管理者の手間も格段に軽減されています。総合的に見て、Tintri VMstoreシリーズの導入によって従来ストレージに感じていた扱いづらいというマイナスイメージが払拭され、ストレージに対する考え方が変わりました」

事例詳細PDFはノックス株式会社のWebサイトにてご確認ください。