「Tintri Global Center」って何?
仮想化環境をめぐるさまざまな課題を解決する業界唯一の仮想化専用ストレージ「Tintri」。前回までに従来型ストレージにはない独自のスナップショット機能やレプリケーション機能、それらを応用した新しい運用方法について紹介してきました。今回は、サイロ化しがちな仮想環境を集中管理する機能を紹介します。
プロフィール
羽里 紀矢里子(ばり きゃりこ)
悩味が所属する情シス部門のマネージャー。常に意識高く行動するので取り巻きも天敵も多い。
天鳥 間仁阿(てんとり まにあ)
隣の部署のサービス運用担当。Tintriについてやけに詳しい。自称「スーパーTintriマン」。
仮想化が進むとサイロ化が進んで管理が面倒に!?
さあ、ついにうちにも来たわよ。仮想化専用ストレージのTintriくん。しかも新モデルの「T1000」! この子に負荷をバリバリかけて検証するんだから。 |
あー!! このTintri、エントリー用の最新モデルじゃないですか? えー、なんでここにあるんですか。どこで手に入れたんですか!! いーなー。ちょっと触っていいですか? |
あら、サービス部のイケメンくん。お安かったので思わず買ってしまいましたのよ。検証用だけどね。ちょうどよかったわ。ちょっと教えて。この子、容量10TBで仮想マシン100台までサポートできるんだけど、うちの環境だとゆくゆくは仮想マシン1000台まで必要になるのよね。このままスケールアウトできると思う? |
できるっすよ! Tintriは容量が足りなくなったら台数を増やすだけですから。 |
それは知ってるんだけど、台数を増やすときに最初の環境と違う環境が追加されていく可能性があるのよ。利用部門やワークロードごとに設定を細かく変えていくつもりだから。そうすると仮想化基盤ごとにサイロ化しちゃいそうで怖いのよ。 |
ああ、それなら「Tintri Global Center」で集中管理できるからまったく心配ないっすよ。 |
Tintri Global Centerってどんな機能なの?
Tintri Global Centerって、標準でついてくる管理ツールよね。Tintri OSの管理画面とは別になるみたいだけど、できることが違うの? |
Tintri Global Centerは、VMwareの仮想化環境で言うとストレージにとってのvCenterみたいなものですね。仮想アプライアンスとして提供されていて、仮想マシンの可視化、QoSのポリシー設定、スナップショットやレプリケーションのデータ保護ポリシー設定など、Tintri単体で管理できることはTintri Global Centerで集中的に行えます。最大で64台のTintriノードを1つの管理画面にまとめることが可能です。 |
Tintri Global Centerって何が便利なの?
さすがにTintriが何十台と増えていったら1つのコンソールで管理できたほうが楽だものね。でも、2~3台だったら手でやってもそんなに手間は変わらないんじゃない? |
いーえ、まったく違うんです! Tintri Global Centerが便利な点は大きく2つあるっす。1つは、全部のTintriをまとめて管理できる「シングルビュー」です。こんな画面で、仮想マシンの名前でリスト表示してくれます。ポイントは「どのTintriにあるどの仮想マシン」っていう階層構造の表示形式じゃないことっす。 |
なるほど、わかったわ。Tintriの台数を増やしても、仮想マシンがどのTintriに存在しているかを意識しなくていいってことね。VMのことだけを見ていられるわ。 |
そっす。あくまで重要なのは仮想マシンっす。Tintriは“仮想マシンを物理的なものにひもづけない”という発想で設計されています。それをよく示しているのが、2つめの便利な点であるサービスグループっていう機能です。 |
サービスグループはどんな機能なの? |
サービスグループは任意のVMをまとめてグループ化して、スナップショットやレプリケーションなどのデータ保護ポリシーや、IOPS上限/下限などの運用ポリシーを一括で設定、管理する機能っす。いちど運用ポリシーをルールとして設定してしまえば、あとは、そのサービスグループに所属した仮想マシンには自動でそのルールが適用させることができるっす。 |
サービスグループに属したVMは別のTintriに移動した場合でも、自動でそのルールが適用されます。つまり、スケールアウトさせることで物理的なストレージが増えていっても、それを意識せずに環境を構築、運用できるってことっす。ポリシーを定義するルールは、ハイパーバイザー内のフォルダごとに適用したり、仮想マシンの特定の名前ごとに適用したりっていうふうに柔軟に設定できます。 |
例えばスナップショットを取る場合はどういう手順になるの? |
こんな感じっすね。「Service Group」の画面から「Configure Protection」っていうデータ保護の画面に進むと、Tintriの管理画面と同じように、スナップショットの取得タイミングや保持期間を定義できる画面になります。いちど設定すればあとは自動でやってくれるっす。 |
他のストレージの同等の機能とどう違うの?
台数が増えてもポリシーを再定義する必要がないっていうのはすごいわね。従来型のストレージだと、容量を増やしたらポリシーの設定をやり直さなきゃいけなかったものね。 |
そうっす! いちど設定してしまえば、ストレージが物理的に増えても、仮想マシンの台数が増えても今までとまったく同じように管理できます。それが他のストレージの管理ツールとはひと味違うとこっす。 |
Tintri Global Centerはどんなときに使うの?
T1000はエントリーモデルだから、ディスク容量の追加ができないのよね。だから、ストレージ容量を増やしたいときは、Tintriを追加していくことになるのよ。そうすると、Tintri Global Centerは絶対に必要になるわね。 |
Tintriを2台以上運用するなら必須でしょうね。さっき言ったように、Tintriをまたがって仮想マシンを可視化できますし、サービスグループを使ったポリシーの自動適用もできます。じつはそのほかに、Tintri Global Centerじゃなきゃ使えない機能っていうのがあるんです。 |
他の機能と合わせて使うといいことあるの?
Tintri Global Centerじゃなきゃできない機能って何? |
まずは、複数のTintri間でのリアルタイムデータ複製です。これは、2つのTintriノード間でデータをミラーリングする仕組みで、「Synchronous Replication」機能を用いています。例えば、プライマリーとセカンダリーという2つのTintriノードがあったとして、プライマリーのTintriは、書き込まれたデータがセカンダリーにも書き込まれたことを確認してはじめてクライアントに書き込み完了の応答を返します。つまり、2つのTintriノード間は常に同じデータを保持することになります。何か障害が発生しても、別のノードを使って復旧できます。だから、書き込んだデータを失わない「ゼロRPO」が可能なんです! |
Tintriの通常のレプリケーション機能(ReplicateVM)はたしか最短でもRPO 1分よね。同期をリアルタイムに行って同期のチェックもしているからゼロRPOってことね。 |
もう1つは、複数のTintriを使って複数の災害対策サイトを利用できるようにする「1-to-many Replication」です。レプリケーション機能のところでも(第4回参照)言ったと思いますけど、Tintriは、複数の拠点のデータを1台のTintriにまとめたり、N対1トポロジーを構成したりもできます。1つのデータを最大4台までの災害対策サイトに転送できるのがこの機能です。 |
Tintri Global Centerの事例は?
Tintri Global Centerの良さは言われないとなかなか気づかないわね。うまく使っている事例はある? |
アメリカンフットボール(NFL)チームのオークランド・レイダースでは、2台のTinriをTintri Global Centerを使って効率よく管理しています。NFLは、選手のデータや試合中のスタッツを解析して、チームの戦略に活用してますよね。そうしたシステムはすべて仮想化されていて、その基盤に採用されているのがTintriっす。 |
仮想化基盤が増えていくと、サイロ化が起こりやすいけど、Tintri Global Centerを使うとサイロ化を防いで管理効率も上げてくれそうだわ。ありがとう! もう帰っていいわよ。 |
へー、ノードの作りはT5000と結構違うのね。ここはこうなって…… |
ちょっと! ウチの子に触らないで!! |
え~! もっとくわしく触ってみたい~~ |
次回は、「VMスケールアウト」について天鳥くんが熱く語ります!
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