セガゲームスが、スマートデバイス向けゲームやB2Bサービスの 提供インフラとしてTintriを採用

『ぷよぷよ!!クエスト』や『オルタンシア・サーガ ‒蒼の騎士団‒』といったゲームのバックエンドシステムをTintriに収容

2017年7月3日

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~パフォーマンス低下を「自動QoS」で排除、ストレージ運用に費やす時間がほぼゼロに~

仮想化環境でのエンタープライズクラウドプラットフォームを提供するティントリジャパン合同会社(略称:Tintri)は、株式会社セガゲームス(本社:東京都品川区、代表取締役社長 COO:松原健二、以下 セガゲームス)が、スマートデバイス向けゲームやB2Bサービスの提供インフラとして「Tintri VMstore(Tintri ヴイエムストア、以下Tintri)」を導入したことを発表しました。

Tintri導入以前の主な課題

これまでのストレージにはQoSを自動調整する機能がありません。そのため、“モンスターVM”がひとつ出来てしまうと、ほかのVMのパフォーマンスが極端に劣化してしまうという問題がありました。「モンスターVM」とは、ストレージのI/Oリソースを大量に食い潰す(消費する)仮想マシンのことです。モンスターVMが出現すれば、同じストレージを利用しているほかのVMのパフォーマンスに大きな影響が出てしまいます。その原因として多いのが、データのバックアップ処理や、アプリケーションの不具合を調べるためのログのサルベージ処理などです。こうした処理が始まると、そのVMのストレージI/Oが一気に高くなります。ただし、こうした業務はサービス部門側が行うものなので、細かいものまでわれわれが事前に知ることはできませんでした。現実には、そもそもどれがモンスターVMなのか、どんな処理を実行したことが原因なのかを特定することすら困難でした。

VMのパフォーマンスに影響を与えない適切なQoS値を慎重に検討し、設定変更手順を調べ、場合によってはストレージベンダーを呼び寄せて今後の対応を検討する。長い場合は、こうした対応で1週間ほど費やしていました。

全仮想化を実現していくためにも、この“モンスターVM”を倒し、安定稼働するITインフラを実現しなければなりません。そこでセガゲームス インフラDB課では、2016年の夏から新たなストレージ製品の導入検討に取りかかりました。

Tintriを選択した経緯

製品選定に際してはストレージベンダー4社から検証機を借り受け、「ハードウェア障害の発生時に、どの程度ストレージI/Oが停止してしまうか」と「運用面でどの程度改善効果があるか」の2点に注目してPoCを実施しました。ハードウェア障害のテストでは、検証機のLANケーブルを引き抜いたり、ハードディスクを1台壊したりして、擬似的に障害を発生させました。長いものではI/Oが2~3分間も停止してしまったのですが、Tintriの場合は数秒~数十秒程度で回復しました。また運用改善面では、Tintriが備える「自動QoS機能」が圧倒的な効果を発揮しました。他社のストレージにも自動QoS機能を備えたものはありましたが、実際にテストしてみると、おだやかにI/Oを抑えているという程度で、ほかのVMのパフォーマンスに影響が出てしまいました。一方でTintriは、自動QoSがほかのVMへの影響をしっかりと抑えてくれました。

Tintriの導入効果

セガゲームスでは2016年、本番サービス環境にTintriの仮想化環境専用ストレージ「Tintri VMstore T850」を新規導入し、運用を開始しました。現在は1台あたり420VMを収容していますが、まだまだ余裕があり、1台で800VMくらいは収容できそうです。

Tintri VMstore T800シリーズ

セガゲームスが導入した、Tintriの「Tintri VMstore T850」

現在ではスマートデバイス向けゲームの『ぷよぷよ!!クエスト』や『オルタンシア・サーガ ‒蒼の騎士団‒』、また、B2Bサービスであるスマートデバイス向けのマーケティング支援サービス「Noah Pass(ノアパス)」のバックエンドシステムも、Tintriに収容されています。

『ぷよぷよ!!クエスト』(©SEGA) 『オルタンシア・サーガ ‒蒼の騎士団‒』(©SEGA / f4samurai)
セガゲームスのスマートデバイス向け
人気ゲームタイトル『ぷよぷよ!!クエスト』(©SEGA)
『オルタンシア・サーガ ‒蒼の騎士団‒』(©SEGA / f4samurai)

全仮想化ビジョンの実現に向けて、現在の物理サーバーに匹敵するパフォーマンスを実現できる仮想化環境を整備していくことが、セガゲームス インフラDB課としての現在の目標です。その目標に向けた取り組みに、Tintriの導入は少なからず寄与していることは間違いないでしょう。これまでストレージの定例運用に費やしていた時間が「ほとんどゼロ」になり、ITインフラのさらなる改善と将来のビジョン実現に向けた業務に注力できるようになりました。

また従来のストレージ環境では、パフォーマンスが低下するため重複排除/圧縮機能が利用できず、DRサイトへのバックアップにも1回あたり6時間を要していました。一方、Tintri by DDNでは重複排除/圧縮のおかげで転送するデータ量も大幅に削減されるため、「Tintri Replicate VM」を利用して1時間に1回のバックアップ(スナップショット)が実現しています。

セガゲームスにおけるTintri ストレージの構成図
【セガゲームスにおけるTintri ストレージの構成図】
メインサイトにT850を2台、DRサイトにも2台を導入

「Tintriの導入で、われわれを悩ませていたモンスターVMが完全にいなくなりました。ゲームにたとえるならば『モンスターを倒して平和が訪れた』といったところでしょうか。
セガゲームス 戦略企画統括部 共通基盤開発部 副部長 インフラDB課 課長 藤瀬聡一郎氏

本事例の詳細については、パフォーマンス低下を「自動QoS」で排除、ストレージ運用に費やす時間がほぼゼロにをご参照ください。

セガゲームス https://www.sega.co.jp/

株式会社セガゲームスでは家庭用ゲーム機、PC、およびスマートデバイスに向けたゲームやデジタルサービスの企画・開発・販売/運営を行っております。「龍が如く」シリーズや「ファンタシースターオンライン2」、「チェインクロニクル」シリーズなど国内、アジア市場を中心に多彩なゲームコンテンツをご提供しています。さらに欧米においても独立性を持つ現地子会社で市場のニーズを捉えたコンテンツ制作を行い、「Total War」をはじめとする高いIP力を保有するゲームを展開しています。 また、ゲーム事業を通して培ったノウハウや資産を活かし、ゲームに留まらない独創的な新規事業の展開を進めています。

Tintriについて https://tintri.co.jp/

Tintriは、企業やクラウドサービスプロバイダーに、自社のデータセンター内にパブリッククラウド機能を提供するエンタープライズクラウドプラットフォームを提供します。クラウド管理ソフトウェア、Webサービス、あらゆる種類のフラッシュストレージシステムを組み合わせたTintriは、俊敏性や自動化などのパブリッククラウドインフラストラクチャの多くの利点を提供するだけでなく、機敏な開発環境を構築するために必要な管理と経済性も向上しますクラウドネイティブアプリケーションやミッションクリティカルなエンタープライズアプリケーションを実行できます。

企業はTintriエンタープライズクラウドをプライベートクラウドの基盤とし、アプリケーションのパフォーマンスを保証し、一般的なITタスクを自動化して運用経費を削減し、コンピューティング、ストレージ、ネットワークのトラブルシューティングを行い、組織のニーズを予測し、Tintriは組織が複数のハイパーバイザー間で1台のシステムで数万の仮想マシンや混在したワークロードを容易にサポートできるようにします。また、組織はカスタマイズされたワークフローを開発し、業務を自動化することができます。 Tintriは、サーバー仮想化、仮想デスクトップインフラストラクチャ、VDI、災害復旧とデータ保護、開発運用、または開発運用など、さまざまな用途に対応しています。

 Tintriを使用すると、数TBから数十PBまで簡単に拡張でき、マウスを数回クリックするだけでスピンアップ、アプリケーションの移動、トラブルシューティングを行うことができます。数日を要したトラブルシューティングは、ほんの数分で完了することができます。 Tintriのエンタープライズクラウドは、企業が市場投入のスピードを向上させ、ITを内部ビジネスグループのサービスとして提供するのに役立ちます。Comcast、Chevron、NASA、Toyota、United Healthcare、フォーチュン100の20%を含むクラウドサービスプロバイダーと、エンタープライズクラウドを導入している企業がTintriを信頼するのはこのためです。