NVMeをわかりやすく解説します
キーポイント
- NVMeとは、フラッシュストレージの高速化性を活かすための新しい仕組み(プロトコル)
- NVMeストレージとは、フラッシュを搭載しNVMe対応の高速ストレージ
- NVMeの利用形態はいくつかあります
- NVMeの技術革新は続きます
このところ NVMe が、エンタプライズ向けストレージ業界で注目されています。ご存知の通り、ストレージではデータを保存するメディアとしてハードディスクからフラッシュへと利用が進んでいますが、このフラッシュの高速性を活かすために新しい仕組み(プロトコル)が必要となってきました。それが、NVMe(エヌ・ヴィ・エム・イーと読みます、Non-Volatile Memory Expressの略)です。
NVMeとは、フラッシュの高速性を活かすための新しい仕組み(プロトコル)
NVMe(Non-Volatile Memory Express)は、例えばコマンドを処理するためのキューを6万5,536個ものキューを持るなどIOの並列処理性能が大幅に向上することができるように設計された、フラッシュの高速性を活かすための仕組み・プロトコルです。IntelやSeagateなどが参加する推進団体によって2011年に策定されました。
また、フラッシュの高速性を活かすためには、従来のSASやSATAというストレージインターフェイスでは不十分で、高速ストレージデバイスに最適化されたインターフェイスが必要となります。そのため、NVMeではPCIe(PCI Express)と組み合わせ利用されます。
NVMeストレージという言葉もよく目にするようになりましたが、これはフラッシュを搭載したNVMe対応の高速ストレージとご理解ください。
NVMeの利用形態
NVMeはストレージシステムの一部としてさまざまな形で利用することができます。
書き込みキャッシュとしてのNVMe
一部のストレージベンダーは、書き込みキャッシュとしてNVMe接続のデバイスを使用しています。アーキテクチャー上ではもともと、高速SSDが書き込みキャッシュとして実装されていましたが、近年ではNVMe接続のDRAMデバイスへの切り替えが進んでいます。
これに対してTintri by DDNでは、書き込みのキャッシュにNVDIMMカードを使用しています。NVDIMMカードはDDRスロットを直接経由して接続されるため、ローカルのPCIeバス経由のNVMeよりも速度が桁違いに速くなります。これが書き込みパフォーマンスの向上に大きく影響しています。
DRAMへの書き込みは、通常の動作中は他のメモリ操作とまったく変わりありません。もし電源が遮断されても、スーパーキャパシタが作動し、保護されたDRAMのデータはフラッシュに転送されデータの整合性が確保されます。
読み取りキャッシュとしてのNVMe
別のストレージアーキテクチャーでは、NVMeが読み取りキャッシュとして使用されていたり、使用が意図されています。この使い方は、HDDを搭載したハイブリッドアーキテクチャー向けとして理にかなっていると言えます。一部のオールフラッシュ設計は、メタデータをキャッシュするために、SATA SSDに加えてNVMe SSDを超高速ストレージ層として実装しています。
永続ストレージとしてのNVMe
長期的な観点から興味深いのは、オールフラッシュアレイで今最も使用されているSATA SSDではなく、NVMe SSDを永続ストレージとして使用することです。今、ほとんどのアーキテクチャーで回復力を提供するために必要とされているのはデュアルポートNVMe SSDです。このため、デュアルポートNVMe SSDの価格が抑えられればこの利用方法がさらに進むと考えています。
NVMeの技術革新
フラッシュを活かす、NVMeを活かすために、次に求めらえてきたのが、サーバとストレージの間の接続の高速化です。そのため、NVMe over Fabricsという規格が生まれました。NVMe over Fabricsはストレージシステムとサーバー間のNVMe接続を拡張するもので、NVMeの速度でサーバーからストレージにアクセスできるようになります。2016年6月に標準仕様のバージョン1が発表されましたが、そのテクノロジはさらに進化しているところです。
最後に少し、Tintri,またTintriの親会社であるDDNのNVMeへの取り組みをご紹介したします。
DDNでは、他社に先駆けてNVMeストレージをリリースしすでにもっとも厳しい性能が要求されるHPCの分野など数多くの実績を持っています。この技術をTintri製品に活用したNVMeストレージをすでにTintriではリリースしています。
Tintriの目標は、皆様のニーズにとってベストなソリューションを提供することであり、仮想化環境やクラウド環境の要件に合った最適なストレージハードウェアとストレージソフトウェアを組み合わせてご提供することを目指していきます。