どこからでもらくらく接続できる 「クラウド型仮想デスクトップ」を構築

Tintriを基盤にして新サービス「Racdes」を立ち上げ、 新しい収益の柱とすることを目指す

クラウド型仮想デスクトップ「Racdes」の基盤に採用

1966 年に大阪でデータエントリー専門業者として創業し、以来京都を本拠に50 年にわたってIT ソリューションを提供してきたワールドビジネスセンター(以下、WBC)。医療や大学を中心にしたシステム運用管理、システム開発、パッケージ開発という3 事業は、全国40 の大学、35 の医療機関との取引実績があり、WBC の現在の主力事業となっている。

システム運用管理では、医療情報システムや大学のネットワークに関する業務を同社の常駐社員がリアルタイムにサポートすることが特徴だ。システム開発やパッケージ開発では、診療録管理システム「M .reco」や、インシデントを収集してヒヤリハットの防止や情報共有を行うインシデントレポート管理システム「@iras」などを展開し、現在では約400 病院に導入されている。

ワールドビジネスセンター株式会社
ソリューション事業本部
ソリューション営業部 部長
奥田 健二氏

そんなWBC が2017 年に新規ビジネスとして立ち上げたのがクラウド型のVDI サービス「Racdes(楽です)」だ。同社 ソリューション事業本部 ソリューション営業部 サービス企画課の奥田健二氏はビジネス立ち上げの経緯についてこう話す。

「既存のお客さまからシステム運用管理だけでなくデスクトップ環境も含めてまとめて管理してほしい、どうせならWBC でクラウド化して提供してくれないかという要望を受けました。われわれの強みのひとつは客先に常駐してニーズに合ったきめ細かいサービスを提供できること。そこで、使いやすいVDI サービスを企画したのです」(奥田氏)

顧客の不満を解消し、使いやすいVDI サービスを

情報を収集するなかでティントリの西日本支店とのつながりが生まれ、Tintri VMstore をサービス提供基盤に利用することを決定した。採用のポイントのひとつは、顧客側にあったVDI への不満を解消できることだった。

「VDI に対する不満が大きく、なかにはトラウマのように感じている方もいました。不満の原因は、起動の遅さです。大学などでは授業が行われるたびにログオフとログインが繰り返され、ログオフストームとログインストームが同時に発生していました。I/O パフォーマンス劣化の影響を受けやすかったのです」(奥田氏)

サービス開発ではまず1,200VMが稼働する既存環境にTintri VMstore T850 を導入してさまざまな視点から検証を行った。検証した項目としては「設計」、「パフォーマンスチューニング」、「パフォーマンス低下時の原因特定」、「プロビジョニング」、「ディスクI /O」、「Windows へのログイン時間」、「スワップ」などがある。


クラウド型VDI サービス「Racdes」では、適切なリソースが確保されるので容量不足や過剰スペックが排除され、さらに管理面での利点も大きい

「簡単さ」はサービス成長に欠かせない重要な要素

検証を担当した稲澤孝規氏は「サービスに必要となるさまざまな項目について細かく検証を行いました。そこで実感したのは『Tintri VMstore はとても簡

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ソリューション事業本部
ソリューション営業部
サービス企画課 主幹
稲澤 孝規氏

単だ』ということ。簡単なことを難しく説明することは難しいものです。我々が簡単に使えるので顧客にとってもきっと使いやすいサービスになると直感しました」と振り返る。

例えば、設計については、従来ストレージではエンジニアが要件を見てサイジングする必要があるが、Tintri VMstore はそもそも不要だ。VM 数に応じて製品を選ぶだけでいい。また、パフォーマンスチューニングもSSD とHDD のキャッシュヒット率の割合などエンジニアの経験が必要だが、これもTintri VMstore は不要。パフォーマンスが低下したときも管理画面から簡単に原因を特定することができる。

ディスクI/O は約10 倍に、起動時間は2 分の1まで短縮

ベンチマーク結果も既存ストレージ環境を大きく上回るものだった。まず、プロビジョニングでは、100 台のVM をいちどに展開するとフリーズするなどして1 時間ほどかかっていた。Tintri VMstore ではそれを30 分で可能にし、500VM まで対応することができた。また、ディスクI/O については、4GB のテストデータを使ってRead/Write 結果を複数計測したが、既存ストレージ環境と比較して約10 倍の数字を叩き出した。

顧客のトラウマになっていた起動の遅さについても、既存環境でのWindows ログオンが1分5 秒かかっていたところ、Tintri VMstore ではデスクトップのチューニングなしに31 秒と約2 分の1 にまで短縮した。スワップを発生させるテストでも、既存環境では目に見えて体感速度が落ち、ブラウザでの表示もままならなくなったのに対し、Tintri VMstore では体感速度にまったく変化はなかった。「技術的な側面から見ると、VM 単位で管理して自動QoS を行っている効果を確認できました。構造としてほかのVM の影響をほとんど受けないことはサービスを提供するうえで大きな優位点になると感じました」(稲澤氏)

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ソリューション事業本部
ソリューション営業部
サービス企画課 係長
西口 智氏

稲澤氏とともに検証を実施した西口智氏は、「技術的な側面から見ると、VM 単位で管理して自動QoS を行っている効果を確認できました。構造としてほかのVM の影響をほとんど受けないことはサービスを提供するうえで大きな優位点になると感じました」と話す。

パートナーとして共にビジネスを作っていく

現在Racdes は、どこからでもらくらく接続できるクラウド型仮想デスクトップとして展開されている。海外を含む出張やテレワークやBYOD、アクティブ・ラーニングなど、働き方や学び方が大きく変わるなか、インフラ構築の手間なく、手軽に利用できるサービスとしてユーザーを増やしている。WBC にとっての新しいビジネスとして経営にも貢献し始めているところだ。

奥田氏は「ティントリにはサービスの立ち上げから相談に乗っていただきました。単なる製品ベンダーではなく一緒にビジネスを作ってきたパートナーのような存在となっています」と話す。また、稲澤氏も「クラウドサービスではSLA などでサービス品質を向上させる視点が重要です。ニーズに応じてマルチクラウド環境でさまざまな機能を提供することも求められます。それらを満たすTintri VMstore は、われわれのビジネスを成長させるためになくてはならない基盤です」と、今後を見据える。